いいデザイン会社を見分ける3つのポイント〜第 2 話/お金編〜

「いいデザイン会社を見分ける3つのポイント〜第 2 話/お金編〜」のアイキャッチ画像

こんにちは✋ICOI BLOGです。

本日は「いいデザイン会社を見分ける意外な3つのポイント」の第2話です。今回は一緒に仕事をしていく上で重要な「お金の感覚」についてのお話です。

ポイント2 見積もりをすぐに出さない

これは一見すると逆じゃないの?と思われるかもしれません。しかし、いいデザイン会社はすぐには見積もりを「出せない」のです。

可能性をせばめる恐れのある見積りは出さない

前回お話しした通り、デザイン制作というのは「リンゴを60円で仕入れて100円で売る」という類の商いではありません。お客さんの思いをカタチにすることが仕事なのです。お客さんの思いをしっかり把握し、何をどのようにカタチにするかを設計することがスタート。そのため、打ち合わせの序盤でいきなり費用を聞いて、見積りを出せない制作会社ほど、クライアントの思いに真摯に向き合う制作会社だと言えます。

さらにお金の計算を先にしてしまうデメリットとして、良いものをつくるための選択肢、可能性をせばめてしまうということがあげられます。まずは全ての可能性を潰してしまわず、最善手を探るために見積もりをすぐに出すことを避けるのです。

予算感はライブ見積りで見極める

同じA4サイズのチラシをつくるにしても、そこに落とし込む内容によって金額は全く違ってきます。モデルをつかう? カメラマンを使う? オリジナルイラストを描く? 質感のある紙をつかう? 様々です。こういう思いをカタチにするなら、こういう方法はいかがですか?とお客さんと一緒に思いをカタチにしていくにつれ、全体像が見え、予算が定まってくるのです。

「とりあえず見積もりくれる?」
「まだ出せません。もう少しお話を聞かせてください」

こういうやりとりが出てきたら、その制作会社はいい制作会社である可能性が高いです。

ただ、これって結構不安ですよね。話を詰め切って出てきた見積もりがとんでもない金額だったら目も当てられません。そんなことがないように、こういう質問をして、その担当者とお金の感覚が合っているかを試してみてください。

「たとえば、A4のチラシ両面のデザインで、○○○部印刷、写真撮影ありでざっくりいくらくらい?」という具合に「具体的な仮定の見積もり」を計算させるわけです。

打ち合わせの最中にリアルタイムで見積りを計算することをわたしは「ライブ見積り」と呼んでいます。これはわたしが業者を見極めるときにもしばしば活用します。

その場でしっかり金額が言える「ライブ見積りができる」制作担当者は間違いなく優秀です。これは前回の営業マンの話とも繋がるのですが、制作担当者は基本的にお金の計算が苦手なケースが多いです。営業マンとは逆ですね。しかしその制作担当者がスラスラとお金の話ができる場合、かなりの場数を踏んできてると言えます。デザインの方向性はもちろん、制作スケジュール、予算管理まで、その案件全てをコントロールできるスキルがあるかどうかも見えてきます。

予算に合わせた多角的な提案が可能

しばしばデザイン畑の担当者にありがちなのが、理想を求めすぎて現実離れした提案をしてくるケースです。しかしお金の感覚が備わっている場合、現実的な選択肢の中から多角的な提案が可能になります。この案件の全体像を把握するというのは、制作現場の担当者でなければできないのです。下の図をご覧ください。

デザイン制作の仕事を大きく4つに分けるとこんな要素に分かれます。全体の予算感を定め、制作のスケジュール管理をし、デザインコンセプトを立て、実際の制作物に落とし込む。

どんなに優秀な営業マンも、デザインコンセプトを考えるところまではできても、実際のデザイン制作はできません。つまり全体を把握できる可能性があるのは、そろばんを弾くことができる制作現場の人間なのです。

担当者が制作現場の人間で、お客さんの思いを深く知ろうとし、かつお金の計算にも精通している。ここまでくればその制作会社は、しっかり思いをカタチにするため一生懸命汗をかいてくれると思って間違いないでしょう。

それでもまだ決め手にかけるなぁと感じる方のために最終話では、裏付けとなる信頼性を確認するポイントをご紹介します。

それではまた次回お会いしましょう。